福島県知事選挙の情勢がほぼ固まったと言っていい。自民県連は、独自に擁立しようとしていた鉢村健氏を断念する。自民党本部の意向を受け入れて鉢村健氏へのあいのりに向かう流れ。

ほぼ、選挙の枠組みは固まってきた。告示部まで後1ヶ月を切っている中、政策論争などでどこまで情勢に影響が出るのか。


情報資料:鉢村擁立を自民県連が撤回

▼自民県連、鉢村氏擁立を撤回 知事選 党内の分裂選挙回避
福島民報 2014/09/11 08:27

『 任期満了に伴う10月9日告示、同26日投票の知事選で、自民党本部は10日、県連が推薦を求めていた元日銀福島支店長の鉢村健氏(55)を支援するのは困難と県連に伝えた。党本部は立候補が有力視される副知事の内堀雅雄氏(50)を支援する考えだ。県連は党内の分裂選挙を避けるため、党本部の決定を受け入れ、鉢村氏の擁立を撤回する方針。
 県連の岩城光英会長(参院本県選挙区)、杉山純一幹事長ら役員は同日、党本部で谷垣禎一幹事長、茂木敏充選対委員長と会談した。谷垣氏らは「鉢村氏で大きな県民の支援を得る枠組みをつくるのは極めて厳しい」と述べ、鉢村氏の推薦見送りを伝えた。岩城会長らは「苦渋の決断だが、福島の復興を最優先させる観点から党本部の決定を了承したい」と受け入れ、鉢村氏の擁立を撤回する意向を示した。
 会談終了後、岩城氏と杉山氏、茂木氏が記者団の取材に応じた。岩城氏は「県内の団体の中には分裂選挙を避けてほしいという声があることも事実」と鉢村氏の擁立を撤回する理由を説明した。県連は11日に役員会を開き、一連の経緯を報告する。
 県連関係者によると、擁立撤回の方針に鉢村氏は「納得できない」と語ったという。県連は立候補の見送りも含め、鉢村氏と今後の対応を協議する。
 県連は、党本部と連携し、内堀氏の支援を模索する方針。既に内堀氏支援を決めている民主党県連などと共闘する形になる。

■岩城氏、会長辞任の意向
 岩城氏は会談後、記者団に「私自身が責任者として取り組んできた。きちんとけりをつけたい」と述べ、混乱の責任を取り、適切な時期に県連会長を辞任する考えを示した。』

情報資料2:谷垣会見、質疑応答

『質疑応答

(代表質問)NHKの瀧川です。今日総裁と幹事長の経験者を回られましたが、この中で海部元総理が「安倍政権が前のめりになっているので、そのブレーキ役を担ってほしい」という話を幹事長になさったと聞いているのですが。

前のめりというか、「いろいろなことがあるから十分慎重にいけよ」というご趣旨だったと思います。

(略)

(代表質問)NHKの瀧川です。今日福島県連の方が幹事長のところに来られました。幹事長からどのようなことをお伝えになられたのか、やりとりをお聞かせください。

今回の県知事選に関しては、県連も努力をされてきたと思います。私どもとしては、党本部としては、福島県というのは言うまでもなくあのような地震もあったし原子力災害もあった。やはりここ第一だと思いますね。特に、安倍総理と佐藤知事との間に中間貯蔵施設をどうしていくかということについてもまとまったあれがきちんとできるということが、復興を図っていくときの第一歩であります。それを進めていくためには、やはり県民との協力態勢というようなものが必要ではないか。そうすると今度の知事選では、やはりそういう形がとれるかどうかというのが大きいというのが私どもの基本認識でして、大変県連もご努力をされたけれども、もう告示まで一カ月を切った状況の中で、なかなか県民を挙げての態勢をつくっていくというのは実際的に困難であると思います。そういうことをあれこれ考えると、党本部として、今まで大変ご努力されたことは認めるけれども、本部としては「では鉢村さんでいこう」ということはできないということを申し上げました。

(代表質問)NHKの瀧川です。幹事長の方から伝えたのですか。

はい。

(代表質問)NHKの瀧川です。今後どのような対応を党本部としてとっていくのでしょうか。

県連の方も、あのような組織決定をして、党本部にいろいろなご要請があったわけですから、県連としての手続きというものがいるのだと思いますね。それから後どうしていくかというのはまた党本部と県連と相談しながら進めていくということです。やはり先ほど申し上げたような、復興第一、そしてこういう中間処理施設のようなものを県と県民の協力を得て進めていける態勢をつくっていくというのが大事であるということだと思います。

(略)

適切な水準だと思います。

朝日新聞の蔵前です。福島県知事選について改めて伺います。先ほど県と県民の協力というお話がありましたが、政党レベルで考えてみれば政党の相乗りということもあろうかと思います。内堀副知事の名前が民主党県連から挙がっていたりもするのですが、内堀氏に対する支援というのはどのようにお考えですか。

これはこれからですね。

時事通信の大沼です。鉢村氏の問題ですが、党本部として出馬辞退を求めていくのか、その辺りどうでしょうか。

これは、また茂木選対委員長がそういう作業をされると思います。どういう作業か具体的に聞いてはおりませんが、この鉢村氏が推薦できないということに伴う手当・処理については茂木選対委員長がおやりになると思います。

共同通信の比嘉です。沖縄県知事選について伺います。本日那覇市長の翁長氏が、辺野古移設に反対の立場で出馬を表明しました。これで11月の沖縄県知事選は、辺野古移設の賛成・反対が大きな争点になってくると思います。これについての受け止めをお願いいたします。

これは今まで頭が福島県知事選の方でしたが、これで一段落して沖縄県知事選の問題点を整理して、どのように臨んでいくか決めていかねばなりません。ですから今のところ、まだこれから沖縄の問題はきちんと検討し分析をしていくということです。

毎日新聞の影山です。内堀副知事について伺います。県民の広い支持という観点から、内堀氏に対してどのような評価をお持ちでしょうか。

例えば首長の方々で、是非出ていただこうという動きをしていることは承知しております。もちろん、そういうようなこともいろいろ見ながら判断していくことになると思います。

TBSの加納です。今日のあいさつ回りについてですが、中曽根元総理からはどういったお話があったのでしょうか。

幹事長は選挙に勝つのが仕事であるということで、私もまったくその通りだと思います。

NHKの瀧川です。具体的な選挙名は出たのでしょうか。

具体的な選挙名はおっしゃらなかったですが、今の福島の問題やその後もにらんで、若干、今党本部でやっていることはご説明してご報告した次第です。』

  • ポイント:
    自民福島県連が本部にサイドの推薦要請。これに対し、鉢村では厳しいという情勢の中、党本部は推薦しないことを県連に伝え、県連はそれを呑んだ。
  • ポイント:
    今後の手続きは、県連サイドの動きを見ながら、本部と県連が歩調を合わせていく。
  • ポイント:
    鉢村氏は現段階では納得しておらず、処遇を巡っては、茂木・選対本部長が行う。

選挙情勢メモ

  • 福島県知事選挙の情勢がかなり固まってきている。
  • 自民県連が擁立した鉢村氏では厳しい情勢。自民党本部は鉢村氏の推薦を行わない。鉢村氏の芽はなくなった。
  • 内堀雅雄氏に4者協議会と自民党県連・本部が相乗りする形となり、内堀氏に有利な情勢はより明確になってきている。
  • 鉢村氏の擁立を断念したドタバタは、福島県内において、自民県連の支持率にはマイナスにはたrくだろうが選挙の情勢にどこまで影響するのか。今後の統一地方選挙へどのように影響していくのだろうか。
  • ▼現在立候補しているのは3名
    佐藤雄平氏の後継者、内掘氏(本日立候補表明)
    熊坂氏
    五十嵐氏
    (吉田氏は立候補表明を取り下げ)
  • 告示日までもう1ヶ月を切った段階だが、立候補者の政策が出揃っていない。政策論争などはこれから行われることとなる。
  • 内堀雅雄氏が自民県連・党本部の推薦を受け入れるかどうか。中間貯蔵施設の受け入れの正式表明の際に、佐藤雄平氏とともに安部総理と会っていることから考えると、官邸とのパイプをこれまでと同じようにつなげておく必要から、断る理由は極めて少ないとみる。あいのりを受け入れるだろう。
  • 熊坂義裕氏はすでに政策を発表して動き続けている。このアドバンテージでここまで支持を広げることができるのか。注視したい。
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