福島県知事選挙の情勢について。佐藤雄平氏の不出馬の意向が全国紙レベルで報じられている中で、県内報道機関はどのように報じているのだろうか。

福島民報(毎日系)と福島民友(読売系)の報道には大きな違いがある。共通点と違いに注目して、慎重に情勢を見極めたい

情報資料:福島県内2大報道機関の論調の共通点と相違点

▼知事、近く態度表明 有力支援者に退任の見方 知事選
福島民報 2014/08/27 08:53

『 任期満了に伴い10月9日告示、同26日投票で行われる知事選で、現職の佐藤雄平氏(66)は26日、近く態度を明らかにする考えを示した。複数の有力支援者は佐藤氏が今期限りで退任すると受け止めている。一方で、別の有力支援者らは、知事選への最終判断は、佐藤氏が最重要課題としている中間貯蔵施設整備の受け入れに向けた協議終了後になるとの感触で、情勢は流動的だ。
 佐藤氏はこれまで東日本大震災と東京電力福島第一原発事故への対応を最優先するとして知事選への対応について明言してこなかった。最近も「中間貯蔵施設の問題が最大のヤマ場を迎えており、それに全力を尽くすだけだ」との発言を繰り返していた。
 中間貯蔵施設整備に向けては国と県、大熊、双葉両町間の協議が大詰めを迎えている。26日、佐藤氏は記者団に「(態度表明については)近くしっかり対応する」と語った
 佐藤氏は初当選時から、在任期間が長くなると組織の硬直化を招くと指摘していたことや昨年1月に体調不良で約1週間入院したこともあり、複数の有力支援者は中間貯蔵施設整備の受け入れ協議に区切りがついた段階で3期目を目指さず、退任を決断するとの受け止めだ。
 佐藤氏は26日、記者会見し、中間貯蔵施設の協議に専念する姿勢をあらためて強調し、知事選への対応については「目の前(中間貯蔵施設の協議)のことをしっかりやった先の話だ」と述べた。このため、別の有力支援者らは「知事の最終判断はこれから」とみている
 佐藤氏の支援に向けて共闘態勢を組む民主、社民両党県連、県議有志、連合福島の四者は26日、それぞれの代表者で構成する「四者協議会」を発足させた。
 初会合で、震災後に18歳以下の県民の医療費無料化やコメの全量全袋検査など県独自の施策を展開した佐藤県政の継続性を重視し、立候補要請することを確認した。ただ、当初、今週中を視野に入れていた要請時期は、情勢を見極めた上で再調整する。』

▼佐藤氏、「知事選」不出馬へ 内堀氏擁立の動き強まる
2014年8月27日 福島民友ニュース

『 任期満了に伴い10月9日告示、26日投開票で行われる知事選で、現職の佐藤雄平氏(66)=2期=が3選出馬しない意思を固めたことが26日、分かった。佐藤氏は出馬しない意向を既に複数の関係者に伝えている。佐藤氏に近い複数の関係者が明らかにした。佐藤氏の不出馬意思を踏まえ民主党県連など複数の政党、団体が佐藤氏の後継として副知事の内堀雅雄氏(50)を擁立する動きを強めている。同党関係では、党県連代表で参院議員の増子輝彦氏(66)の動向も注目されている。
 佐藤氏に近い関係者によると、佐藤氏は進退表明の前提として、現段階での県政最大の課題に位置付ける中間貯蔵施設受け入れをめぐり、これを優先して取り組む姿勢を強調してきた。同施設に関する政府との交渉では、受け入れに向けた最終調整を県が進めており、佐藤氏は交渉にめどが立った段階で知事選への態度を明らかにするとみられる
 佐藤氏は26日、報道陣に対し「中間貯蔵施設(の問題)が最大のヤマ場を迎えている。全力を尽くす」とこれまで同様の発言にとどめ、公式には進退について明言しなかった。
 一方、県内政党や団体の関係者によると、内堀氏擁立をめぐっては、佐藤氏を支援する民主県連などをはじめ、元日銀福島支店長の鉢村健氏(55)を擁立した自民党県連内にも推す声がある。政府・与党の有力筋にも佐藤氏が3選出馬しない場合には、内堀氏の擁立を支持する声があるという。こうした状況を踏まえ「内堀氏なら相乗りも可能だ」との認識を示す県議らもいて、水面下で協議しているもようだ。』

  • ポイント:
    県内2紙が伝える情勢は異なる部分もある。
  • ポイント:
    (福島民報)複数の関係者が佐藤氏が今季限りで退任すると受け止めているのと同時に、複数の関係者が「知事の最終判断はこれから」とみているとし、「情勢は流動的」としめくくっている。
    (福島民報)26日に「4者協議会」が開催され、「佐藤県政の継続性を重視し、立候補要請することを確認」とし、要請時期は情勢を見極めて再調整と報道。
  • ポイント:
    (福島民友)佐藤氏が複数の関係者に不出馬の意向を伝え、その意思を踏まえて、後継者として副知事の内堀雅雄氏を擁立する動きを「強めている」とし、同時に「党県連代表で参院議員の増子輝彦氏(66)の動向も注目」としている。
  • (福島民友)内堀氏は民主県連などだけではなく、自民党県連内にも押す声があると紹介(別の全国紙でも報道)あいのりを模索しているニュアンスを報じている。そこに「政府・与党の有力筋」の存在も報じている。
  • ポイント:
    (共通点)両紙とも、動きがいくつかの方向性があることを示し、中間貯蔵施設のヤマを乗り越えた後に進退を表明するという論調。

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選挙情勢メモ:流動的で、慎重に見極める必要ある

  • 全国紙が、「佐藤氏不出馬の意向」と大きく報じる中で、本日27日の福島県内メディアは、慎重に報じている。
  • 福島民報は毎日系、福島民友は読売系だ。
  • 佐藤雄平氏の後継者として内堀雅雄氏を大きく報じ、自民県連の「あいのり」について大きく字数を割いているのは、読売系の福島民友。「政府・与党の有力筋」の存在も報じている。官邸の意向が影響している可能性も念頭に置いておく。
  • 毎日系の福島民報は、「4者協議会」をとりあげ、情勢は流動的であることに字数を割いている。
  • 報道からは、後継者擁立の動きは4者協議の動きではなく、あくまで水面下の調整であることがわかる。関係者の対応も分かれている。
  • 佐藤雄平氏の立候補の動向については、中間貯蔵施設にめどがついてからというのが共通した論調。複数の報道は佐藤氏の不出馬を断定的に報じているが、予断せず慎重に情勢を見極めたい。
  • 流動的な中で、自民県連も情勢を見極めているとみる。鉢村氏にとって逆風となる可能性もある。
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