名護市長選メディアリポート第三弾。

 昨日の稲嶺陣営の新聞15段広告に対抗し、本日末松陣営も15段広告を掲載。しかしこれはあまりにも大あわてで作った感が満載で笑ってしまった。
 先ず掲載場所。昨日は琉球新報・沖縄タイムズ共に全面広告が入る第6面に掲載。金曜日だったので紙面に余裕があったのかも知れないが、新聞掲載面の「格」と しては申し分ない面で、非常に目立つ。

 対する末松陣営の広告は、琉球新報が21面(6面には商品広告)、沖縄タイムスが28面(6面は国立劇場会場10周年)。

 休日は新聞をゆっくり読む人が多く、土日の広告面は人気があるので、事前に 紙面が押さえられていることが多いのです。つまり末松陣営の広告は突然出稿が決まったため良い面を確保できず、そのため 特に沖縄タイムズではかなり後ろの面になってしまった、という訳です。

 さらに、肝心の紙面にも、そのドタバタ振りが反映されています。 15段紙面の真ん中に大文字で「新リーダー誕生で名護が動き出す!」というタイトルは いいのですが、肝心の候補者名がどこにもありません。これにはちょっと驚きました。

 また他には、

・市役所移転 ・中高一貫進学校の整備
・基幹病院の設置
・介護
・ゴミ分別問題を解決します
・若者の新しい職場・経済の活性化を国・県・市が一体となって開拓
・名護不況からの脱却
・子育て支援 
・学校給食費の完全無料化
・待機児童ゼロ
・保育料の軽減化

などの政策目標?がずらりと並び、その財源として

・名護振興基金500億円
・再交付金261億円

の下に、候補者の写真と思いきや、 「国・県との強い連携 安倍首相がビジョンの実現を約束!!」 というコピーの横に、なんと候補者ではなく安倍首相の写真が!

 なぜドタバタかと言えば、特に名護振興基金500億というのは一昨日石破幹事長が 突然口走ったもので、菅官房長官が慌てて訂正したシロモノだからです。しかし末松陣営と してはそんないい加減なものでも紙面に反映させたかった、ということなのです。

 選挙広告ですから政策目標を並べるのはいいのですが、9つも並べたのではどれが優先課題か 分かりません。また、「やりますやります」というだけでその手段については触れず、ただ 「カネならあります、国からもらえます」というのではいかにも説得力がありません。

  そして再度言いますが、候補者の名前も写真もない選挙広告というのは、やっぱりありえないと 思います。末松陣営側は地元の人たちにだけ分かれば良い、という認識だと思いますが、はからずも「米軍基地が来れば国からカネが落ちてくるんだから、市長 なんて誰がなっても同じだ」 という基地移設推進派の本音がばれてしまったように見えます。

 元広告屋の目線で言わせていただくならば、「ありえない」広告です。

■本間龍
著 述家。1962年、東京都に生まれる。1989年、博報堂に中途入社し、その後約18年間、一貫して営業を担当する。北陸支社勤務時代は、北陸地域トップ 企業の売り上げを6倍にした実績をもつ。2006年同社退職後、在職中に発生した損金補填にまつわる詐欺容疑で逮捕・起訴され、栃木県の黒羽刑務所に1年 間服役。出所後、その体験をつづった『「懲役」を知っていますか?』(学習研究社)で作家デビューをする。服役を通じて日本の刑務所のシステムや司法行政 に疑問をもち、調査・研究を始める。また、福島第一原発事故後、メディアの姿勢に疑問を持ち、大手広告代理店とメディアの癒着を解説した『電通と原発報 道』(亜紀書房)を上梓。メディアと原発、司法行政と刑務所システムをテーマにした講演や著述、テレビ出演など、幅広く活動している。著書にはほかに 『名もなき受刑者たちへ』(宝島社)、『転落の記』(飛鳥新社)、『大手広告代理店のすごい舞台裏』(アスペクト)、『だれがタブーをつくるのか』(共 著)、『原発広告』(以上、亜紀書房)がある。
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